富裕層が住む地域(3) 総論

◎2016年2月11日木曜日
 
 総務省統計局「平成22年国勢調査」及び各自治体「平成27年度固定資産税路線価等」のデータに基づいて、富裕層が住む地域を町丁目単位で推定する。
 推定にあたって用いる指標は以下の4点。

① 住宅延べ面積の平均値
② 学校卒業者人口に占める大学卒業者(短大・高専含む)の割合 
③ 就業人口に占める管理的職業従事者(オーナー・経営者・管理職等)の割合
④ 固定資産税路線価


 各指標の考え方について、以下のとおり定める。

① 住宅延べ面積の平均値
 総務省統計局「住宅・土地統計調査」等の統計資料により、高所得者層の住宅延べ面積は広い傾向、低所得者層の住宅延べ面積は狭い傾向にあることが分かっている。従って、住宅延べ面積の平均値が高い地域を、「富裕層が多く住む地域」と推定する。
 当該地域の立地条件(都心部・郊外部等)によっては、上記の推定が成立しない場合も想定されるため、単純な比較は困難である。

② 学校卒業者人口に占める大学卒業者(短大・高専含む)の割合
 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」等の統計資料により、大卒者の生涯賃金は、高卒者の生涯賃金を上回る傾向にあることが分かっている。従って、学卒者に占める大卒者の割合が高い地域を、「富裕層が多く住む地域」と推定する。
 職業や勤務先によっては、両者の生涯賃金が逆転する場合も想定されるため、単純な比較は困難である。

③ 就業人口に占める管理的職業従事者(オーナー・経営者・管理職等)の割合
 国税庁「民間給与実態統計調査」、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」等の統計資料により、経営者、管理職の年収は、専門職や平社員を上回る傾向にあることが分かっている。従って、就業人口に占める管理的職業従事者の割合が高い地域を、「富裕層が多く住む地域」と推定する。
 大企業の平社員と中小企業の経営者など、勤務先の規模によっては、両者の年収が逆転する場合も想定されるため、単純な比較は困難である。

④ 固定資産税路線価
 資産価値の高い不動産を維持管理していくためには、高額の必要経費(固定資産税、相続税等)を負担しなければならない。従って、固定資産税路線価の高い地域を、「富裕層が多く住む地域」と推定する。同一の地域であっても、地点に応じて路線価は変動するため、大凡の傾向を把握する程度に止める。具体的には、以下の6段階評価とする。

・ ランクS 1,000,000円以上                                 /㎡
・ ランクA    200,000円以上 ~ 1,000,000円未満 /㎡
・ ランクB    100,000円以上 ~    200,000円未満 /㎡
・ ランクC      50,000円以上 ~    100,000円未満 /㎡
・ ランクD      20,000円以上 ~      50,000円未満 /㎡
・ ランクE               0円以上 ~      20,000円未満 /㎡

 適切なデータがない地域では、国税庁「相続税路線価等」を参考又は周辺地域の現況から推定を行うこととする。
 公営住宅や賃貸住宅の居住者が多い地域では、路線価と資産保有の状況に正の相関が見られない場合も想定されるため、単純な比較は困難である。


 上記①②③④の各指標に基づいて、総合的な偏差値を算出し、以下の例のとおり表に取りまとめる。偏差値の高い地域は「富裕層が多く住む地域」と推定、偏差値の低い地域は「富裕層があまり住んでいない地域」と推定する。

 偏差値が高い要因としては、高級住宅街(高級マンション)の存在など。
 偏差値が低い要因としては、公害発生施設、刑務所、火葬場などの忌避施設の近在、低所得者向け団地(公営住宅)の存在、風紀や治安が悪いなどステータスの高い人々が敬遠する諸々の事由が想定される。ただし、学生向けアパートが集中するエリア(大学の近隣)においても偏差値が低くなる傾向があるため、一概に偏差値の低い地域=居住を敬遠すべき地域と断定することはできない。




 なお、推定の対象については、当面の間以下のとおりの方針とする。

・ 自治体の人口規模では、大凡10万人以上。ただし固定資産税路線価のデータを適切に取得できない等の事情がある場合については、人口が10万人以上であっても対象としない。
・ 町丁目単位では、世帯数20以上。