富裕層が住む地域(2) 千葉県

◎2015年9月1日火曜日
 
 総務省「市町村税課税状況等の調」の3か年分のデータ(2012~2014年)に基づいて、千葉県における市町村別の1人当たり平均年収、1世帯当たり平均年収、世帯平均不労所得(株式譲渡、利子、配当、賃料収入など)を試算する。試算の過程で、総務省統計局「平成22年国勢調査」の人口・世帯のデータを活用する。

 総務省「住宅・土地統計調査」に基づく試算の場合、県庁所在地の千葉市では、緑区や美浜区に富裕層が多く住んでいる実態が分かるのだが、総務省「市町村税課税状況等の調」では、区毎のデータが掲載されていないため、世帯平均年収などの数値は大雑把な把握に止まる。千葉県において世帯平均年収の高い地域は、埋立地にマリナイースト21などの高層マンションが林立する浦安市、大規模な住宅団地(千葉ニュータウン)の中に閑静な住宅街が広がる印西市や白井市、民間主導型での良好な住環境(ユーカリが丘)が整備されている佐倉市、つくばエクスプレスの駅周辺(流山おおたかの森)を中心に人口の流入が続いている流山市などとなっている。千葉県の高級住宅地は、北西部に位置する市川市(菅野、真間、八幡)や船橋市(海神、宮本、東船橋)に集中しており、浦安市を除く上記の地域では、富裕層の人口に占める割合が高かったとしても、高級住宅地と称することができるようになるまで、それぞれの住宅団地の資産価値が上昇していくことは困難であると考えられる。
 千葉県の産業の発展は、東京湾沿岸の埋立地(京葉工業地帯)に鉄鋼、石油化学、造船などの重厚長大型産業を誘致したことを契機とする。このエリアに属する習志野市、千葉市、市原市、木更津市、君津市では一時期人口が急増するとともに、住民の所得水準も向上していったのだが、脱工業化・サービス産業中心の現代社会では、内房方面を中心として世帯平均年収は相対的に控えめな水準に止まる。銚子市から九十九里浜を下って南房総方面に属する地域では、世帯平均年収は低めとなっている。御宿町の不労所得は高い数値となっているが、海岸沿い(御宿台など)にマリンリゾートやゴルフリゾート用の別荘地が開発され、事業用不動産の収益率が高いことがその理由として推測される。