富裕層が住む地域 大阪府

◎2015年5月12日火曜日
 
 総務省統計局の「平成25年住宅・土地統計調査結果」に基づいて、大阪府の世帯平均年収、年収1,000万円以上の世帯割合、年収300万円未満の世帯割合を試算する。試算結果については、以下の表のとおり。能勢町や太子町など公表データに掲載されていない一部の自治体については、試算を行っていない。また、一人暮らしの学生などの単身世帯は、試算にあたって母数から除外している。

・ 大阪府において世帯平均年収が多い地域は、大阪市の一部地域の他、北摂地域や南河内地域などに分散、具体的には、豊中市、吹田市、箕面市、交野市、島本町、豊能町、熊取町、河南町などとなっている。
・ 大阪市において富裕層が多く住む地域は、阿部野橋ターミナルビルを中心に都市再開発事業が進められている天王寺区・阿倍野区であり、具体的には、勝山、真法院町、清水谷町、松ヶ鼻町、北山町、小橋町(以上が天王寺区)、帝塚山、北畠、相生通(以上が阿倍野区)などのエリア。こうしたエリアでは、高級住宅街と言えるような住宅街が形成されている。住吉区の帝塚山中、帝塚山東、帝塚山西などのエリアにおいても、同様に高級住宅街と言えるような住宅街の形成が見られる。また、北区(中之島など)、中央区(北浜、心斎橋など)、福島区(福島など)では、高級マンションの立ち並ぶエリアが存在する。
・ 天王寺区、阿倍野区、北区、中央区、福島区以外の大阪市の大半の地域では、世帯平均年収は低く、貧困層が住民の多数派を占めている。あいりん地区や飛田遊郭が立地する西成区では、世帯平均年収が極端に低く、異様な印象を受ける。交通手段として渡船が活用されている大正区、新世界(通天閣)が立地する浪速区、公営住宅が林立する東淀川区、在日韓国・朝鮮人が多数住んでいる生野区、自動車や自転車の窃盗事件が多発している平野区などでは、世帯平均年収が大阪府平均を相当程度下回るとともに、半数以上の住民が経済的にゆとりのない生活(年収300万円未満)を余儀なくされている。

・ 大阪市以外では、堺市西区の上野芝、浜寺などのエリア、堺市東区の初芝、大美野などのエリア、豊中市の桜塚、東豊中町、曽根、緑丘、上野、新千里南町などのエリア、吹田市の千里山などのエリア、高槻市の南平台などのエリア、箕面市の桜ヶ丘、桜井、百楽荘、箕面、石丸、小野原などのエリアにおいて高級住宅街又は優良住宅街の形成が見られる。

・ 大阪港の建設と紡績業の振興を契機として、一時期は我が国最大の工業都市として発展した大阪であるが、大阪が「大大阪」と称された時代においても、大阪湾の沿岸地帯は度々台風による高潮災害に見舞われた。大阪市内では御堂筋から大阪城公園の付近まで浸水の影響が及んでおり、また、工業用地下水の利用増大は地盤沈下を引き起こし、高潮災害の被害を一層深刻なものとした。こうした事情から、大阪の裕福な層は、居住地として、上町台地(帝塚山、北畠)といった市内の丘陵地や、阪急電鉄などが北摂地域や兵庫県内の後背地にて開発した新興住宅地を選好するようになった。
・ 大阪では、防潮施設が整備され、地盤沈下対策(地下水採取規制)が功を奏し始めた時点において、都市圏の拡大(郊外化)を抑制し、都心回帰のための事業に着手すべきであった。最近の都心再開発の取組は遅きに失した感がある。首都圏に対する相対的地位の低下と自身の都市圏の成長の限界を自覚せず、甘い需要予測と借金財政に基づいて公共施設を乱造したものの、そういった施設は都市経済の再生には何の役にも立たなかった。大阪は、地下水採取による地盤沈下を克服したものの、新たに経済の地盤沈下に直面し、未だ有効な手立てを打ち出すことができていない。